尖閣問題 最低の結末、腰抜け民主党と戦略のない日本

 尖閣諸島には明治から昭和初期まで日本人が住み、鰹節を製造したりしていた。昭和40年に中国が作成した地図でも尖閣諸島は日本領になっており、中国は尖閣諸島を日本領と認めていたのである。
 昭和43年に東シナ海の海底学術調査で石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された後の昭和46年になって初めて中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのである。中国が石油資源欲しさに領有権を主張し始めたのは明らかである。

 今回の尖閣問題は、9月7日に尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突し、8日に中国人船長を公務執行妨害の疑いで逮捕したことに始まる。その直後から中国は日本に対して圧力を加え始めた。9月24日付け朝日新聞1面によると「対日経済制裁は、中国共産党が今月中旬、外務省や商務省、国家発展改革委員会、政府系シンクタンクの日本担当者に具体的な措置の検討を指示した。中国政府関係者は、「日本経済の弱いところを突くような制裁を検討するように指示された」としている。」 その日の1面の表題は、「中国、レアアース禁輸」である。

 レアアースは、磁石の高性能化の他、光磁気ディスク、蛍光体、レーザー、高屈折レンズなどにも使用されている。分かりやすく言えば、エコを謳ったトヨタ自動車のプリウス等に大量に使用されている。
 世の中にはプリウスに乗って、省エネで地球温暖化防止にも貢献していると考える脳天気な人間が多いが、例えば、宝島社新書「ハイブリッドカーは本当にエコなのか?」の中で著者は、レアアースのリサイクル技術が確立していない現状とレアアースはほとんど中国に依存し、中国がレアアースを「戦略物資」として位置づけていることを指摘している。
 昔、自民党の議員だったと思うが「この国際化の時代に食料を日本で生産しようと考えること自体おかしい。金で買えるんだから外国から買ったら良い。」と言っていた。これを聞いて、なんて馬鹿な、戦略性の全く無い政治家だと思った。その結果が、食料自給率30%の現状なのである。国会議員に戦略性のかけらも無ければ、産業界も馬鹿ばかりである。あれだけ中国、中国と鉄の作り方を教え、新幹線の技術も教えたら、今ではその技術を自国の技術としてアメリカに売り込もうとしている現状。プリウスに乗ることが、何を意味するのか、よく考える必要がある。

 温家宝は、23日に国連総会で一般演説し、国家主権や領土保全をめぐっては屈服も妥協もしない」と表明した。本当にずうずうしい国家である。正義を通すためには、日本は妥協せずに逮捕した船長を予定通り裁判に掛けるしかないと考えていた。一度、妥協したらそれは日本の領有権の放棄につながるからである。中国が妥協しないと宣言している時に日本が妥協したらそれは何を意味するのか小学生でも分かるだろう

 ところがである。その絶対にやってはならない事を民主党はやった。25日那覇地検は中国人船長を処分保留のまま釈放した。那覇地検は「中国政府に配慮したということではない」というが、「日本国民への影響や今後の日中関係を考慮した」という。仙谷官房長官は検察から釈放するとの報告を受け、了とした」というが、なぜ認めるのか。これが今後、どういう結果を招くことになるか、分かっているのか。
 25日付け朝日新聞で編集委員薬師寺克行は、「しかし、今回の事件への対応を見る限り、中国が国際社会の共通ルールを尊重する「分別ある大国」とはいいにくい。」というように中国の出鱈目さが露呈した。信頼できない国である。何と言っても共産党による独裁国家であることに変わりは無い。

 国は企業に中国進出を奨励しているが、このような政策は直ちに停止すべきである。また、日本は戦略性を持った産業育成と保護をすべきである。何でもかんでも中国へ技術移転することを国は奨励しているが、それは敵に塩を送るようなものである。中国が経済制裁を行った時に何十倍にもして返すような策を考えるべきである。昔、日米貿易摩擦でアメリカが日本からの輸入禁止品目をリストアップした時、その中に輸入禁止にしたらアメリカの産業が停止するような重要な製品があったと聞く。今の日本にそのような製品があるのか?

 中国河北省で準大手ゼネコンフジタの関係者4人が違法に軍事施設をビデオ撮影したとして拘束された。中国人船長逮捕と関連している可能性があるという。フジタは、日本政府発注の旧日本軍の遺棄化学兵器処理事業で移動式処理設備の設置を手がけており、拘束された石家荘市でもこの設備をつくる計画があり、事前調査のために現地入りしていたという。戦後処理を日本が自らの手で未だに行っているのに、それを北朝鮮みたいなやり方で逆に日本人を拘束する中国。中国がそういう態度なら遺棄化学兵器処理事業なんかやめてしまえば良い。

 日本は対中国との関係を戦略的に全面見直しすべきである。中国はレアメタルを低価格で輸出して、世界の鉱山を閉鎖に追い込んで市場を独占した後に輸出規制を掛けるなど戦略的に動いている。脳天気な日本政府とお人好し産業界は、振り回されっぱなしである。
 お人好し日本人はもう止めて、世界を生き抜く長期戦略を立てるべきである。

 中国人船長逮捕では、何のために逮捕したのか、良く考えるべきである。中国に恫喝されて釈放するのなら、最初から逮捕すべきではなかった日本は領土を守るために、中国の漁船を追い払えば良いのである。相手がロシアなら銃撃されるところである。日本は武力攻撃しないから舐められているのである。武力に訴えろとは言わないが、毅然たる態度が必要である。腰抜け民主党にはあきれ果てたが、このような事態になった原因は、これまでの自民党のいい加減な態度があったからである。自民党は、国会で民主党を追及するといっているが、そんな資格は自民党にも無い。

(2010年9月25日 記)

 今日の夕刊を見たら「中国、謝罪と賠償要求」の記事。どこまで付け上がるのか、中国は。さらに東シナ海ガス田「白樺」で、一方的に掘削作業を始めた可能性も高いと言う。これに対して日本政府は何なんだ。反論も対抗処置も取らないのか。相手がいくら常識の無い馬鹿国家だからと言って、黙っているのは何なのか。情けない。大人の対応と言うのは、黙り込むことなのか。

 中国外務省は、声明を出し、「釣魚島とこれに付属する島々(尖閣諸島)は中国固有の領土だ」との立場を強調し、事件をめぐる「外交的な勝利」を国際社会にアピールした。

 訪米中の前原外相は「東シナ海に領土問題は存在しない。これから同じような事件が起きた時には、毅然と対応していくことに変わりはない」と強調した。この言葉の意味を本当に当人は分かっているのか。今後、中国は自国の領土だと漁船を意図的にどんどん送り込んでくるだろう。日本はこの押し寄せる中国漁船を片っ端に排除しなければならないのである。日本は二度と妥協することは許されないのである

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